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芽キャベツの栽培方法と育て方】

芽キャベツ

芽キャベツの栽培方法(苗植えから収穫、保存方法まで)をご紹介します。

 

 

芽キャベツとは

芽キャベツは、小さいキャベツのような2~3cmほどのわき芽(葉や茎の付け根から出る芽)が、ブドウのような鈴なりに茎の周りに結球(葉が重なって球状になること)してできる変わった見た目をしたキャベツの仲間です。ヒメカンラン、子持ちカンランとも呼ばれます。

芽キャベツの種類は、早生子持(結球性に優れていて育てやすい)、ファミリーセブン(形のよくしまった球に育つ)、子持甘藍などの品種が早生種で栽培期間も短く育てやすいで

す。

芽キャベツの栽培時期は、4~6月の春まきと7~9月の夏まきがあります。

ですが春植えより夏植えのほうが、病気や害虫などの被害が少ないのでおすすめです。

生育初期はキャベツと同じような姿をしています。

キャベツと同じで冷涼な気候を好みます。

 

芽キャベツの栄養

芽キャベツは栄養価が非常に高く、キャベツよりもたくさんの栄養が含まれています。

ビタミンA、C、K、βカロテン、食物繊維、カリウム、タンパク質、カルシウムなども豊富に含んでいます。

ビタミンKには止血作用、βカロテンには免疫力アップや抗酸化作用などがあり、がん予防にも効果があります。

ミネストローネなどスープ料理や煮込みにすることで、甘みが出ておいしく食べられます。

栄養満点で健康にも美容にもよい野菜です。

 

芽キャベツ栽培のポイント

アブラナ科の野菜で連作(同じ場所で同じ作物を育てる)を避け、2年以上は間隔をあける。

・日当たりがよく、水はけのよい土壌で育てる。

・生育適温は15~20℃で、高温多湿を嫌い乾燥した冷涼な気候を好みます。

・発芽温度は15~25℃で、結球温度は10℃前後です。23℃以上になると結球不良や病気の発生が多くなってしまいます。

・土壌酸度(pH)の適正は6.0~6.5が目安です。

元肥をしっかりと施し、生育初期で株を大きく育てる。茎の太さ4~5cm以上に育てることで多収穫が望めます。

・生長すると草丈60~70cmくらいになるので、支柱や土寄せで倒状を防止する。

・収穫時期が遅れると葉が開いてしまうため、早めに収穫をする。

・栽培に適した期間が短い。涼しくなり始める時期に植え付ける。

(暖地:9月上旬~中旬が目安、中間地:8月下旬~9月上旬が目安)

 

苗の選び方

芽キャベツ

芽キャベツの苗は8~9月頃に購入できます。

よい苗の選び方は、濃い緑色で茎がしっかりとしていて子葉が残っているものがいいでしょう。

葉や茎が傷んでいないか、害虫などの被害に遭っていないかなども大事なポイントになります。

 

【栽培時期】

芽キャベツの種まき時期は地域差もありますが、8月上旬以降の夏まきです。

4~5月の春まきもありますが、害虫被害に遭いやすいのであまりおすすめはできません。

収穫時期は種まきから約4~5ヶ月です。苗から植えた場合は約2.5~3ヶ月です。

暖地は9月上旬~下旬を中間地は8月下旬~9月上旬を目安に植え付けをしましょう。

 

【土づくり】

芽キャベツを育てる土にするためには

・植え付けの2週間前に、苦土石灰100g程度を撒いて耕す。(1平方メートルあたり)

※土壌酸度(pH)6~6.5くらいに調整しましょう。

・植え付けの1週間前に、堆肥を2kg、化成肥料(15-15-15)や化成肥料(8-8-8) など50g程度を撒いて耕す。(1平方メートルあたり)

アブラナ科の野菜で連作(同じ場所で同じ作物を育てる)すると、土壌病害が発生しやすくなるので注意しましょう。

栽培後は2年以上の間隔をあけて輪作(同じ場所に異なる種類の作物を、一定の順序で繰り返し作物を育てる)をしましょう。連作をしたい場合は土壌の対策が必要になります。

 

【畝立て・植え付け方】

芽キャベツ植え付け

・畝は幅60cm程度、高さは15cm程度で、しっかりと耕して根張りをしやすくしましょう。

・苗の植え付けの株間(植え付ける間の距離)は、早生種は30~40cm程度、中晩生種は

40~45cm程度で、1条植え(条は畝に植える列)で植え付けていきます。

・2~3cmほど覆土(土をかぶせる)して、その上に化成肥料(8-8-8)を100~150g撒きます。(1平方メートルあたり)

 

【水やり】

発芽するまでと苗植え付け後は、乾燥させないようにこまめに水やりをしましょう。

苗が根付いたら、土の表面が乾いた時に水やりをする程度にします。

その後は、回数は少なめで1回の水やりの量を多めにするといいでしょう。

あまり回数が多いと病気が発生しやすくなってしまうためです。

水やりの時間帯は、朝は気温が上がる前、夕方は気温が下がってからが目安です。

※気温の高い日中の水やり、気温の下がる夕方でも秋以降の水やりは冷えて病気が発生しやすくなるため控えましょう。

 

追肥・土寄せ】

1回目の追肥は、苗の植え付けから約3週間後に1か月ごとを目安に、化成肥料(8-8-8)や

即効性の肥料(窒素が高め)を一握り程度で、畝の間に撒いて軽く混ぜてから土寄せ(株元に土を盛ること)をしておきます。

※肥料は葉にかからないようにしましょう。肥料を土と混ぜる際、根を傷めないよう土壌表面で混ぜます。

苗の根元が地上に露出し日が当たると、株の生育が弱まってしまいます。土寄せはしっかりとしましょう。

その後は、1か月ごとを目安で同じように追肥をしていきます。

生育期間がキャベツより長いため、追肥の量と回数もキャベツよりも多いです。

※苗が大きくなるにつれて株元から少し離れたところに肥料を撒くようにしましょう。

 根の先端のほうが肥料の吸収がよいためです。

半分くらい収穫をした後に、定期的に追肥をすることで長く収穫ができます。

 

【支柱立て・下葉かきと下芽かき】

芽キャベツの栽培では、草丈が30~40cm程になったら支柱(約1mの太めのもの)を立て

て倒状防止(倒れの防止)をします。(時期的に台風などの対策のために)

※支柱を立てる代用として、しっかりと土寄せするなどして対策しておくのもいいでしょう。

本葉が20枚くらいになると、わき芽が結球し始めます。

葉かきを行って、日当たりや風通しをよくして球の肥大を促してあげましょう。

やり方は、頂部の葉を10枚以上残して、地上から10cmほどの下葉は全てかき取ります。

結球は下から上に進んでいくので、一気に葉を取ってしまったりして生長の妨げに

ならないように、下から順に古い葉を切り取ります。

※葉かきの際は、少し残して切るようにしましょう。

葉を茎の根元のギリギリで切り取ると、芽球を傷めたり取れたりするおそれがあるので注意しましょう。

下芽かき(根元付近の形の悪い結球を摘み取る作業)も同様に行いましょう。

葉かきをする頃に株元から10節くらいを目安にして、形の悪い芽を摘み取ります。

※形の悪い芽は生長して大きくなっても形はよくなりません。

芽キャベツ



【収穫】

芽キャベツの収穫時期は、苗の植え付けから約3ヶ月です。

収穫のタイミングは、芽球の大きさが2~3cmほどで固く締まってきた頃です。

収穫方法は、手でもぎ取るか、ハサミで根元から切り取り収穫します。

下の芽球から順番に締まっていき株の上に次々と芽球がなります。(約60~70個ほど)

うまくいけば約2ヶ月収穫ができます。

※収穫が遅れると芽球が破れてしまうので、収穫のタイミングを逃さないように注意しましょう。

芽キャベツは、下から順番に芽球が収穫できるようになります。上に新しい芽球がついていくので、常に頂部から10枚程度の葉は残して生長させましょう。

芽キャベツ収穫



【保存方法】

芽キャベツは乾燥を嫌うので、キッチンペーパーを濡らし芽キャベツを包んでから、密封できる保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。3~4日の保存ができます。

キッチンペーパーはこまめに取り替えましょう。

茹でてからの保存もできます。

水洗いして水気をしっかり切り、密封できる保存袋に入れて冷凍庫で保存します。

3週間くらいの保存ができます。軽く茹でても同じように冷凍保存ができます。

 

【病気・害虫対策】

畑は、ちゃんと管理しないと畝の周囲など雑草が生い茂ります。

雑草は、害虫の温床にもなるのでこまめに抜いて管理しましょう。

 

雑草対策

雑草対策は、普通に抜いて処理をする他に、防草シートを敷く、専用の除草剤を使用するなどの方法があります。

雑草対策に適した薬剤の種類

・液剤タイプ(茎葉処理型)  

雑草がすでに生い茂ってしまった場合に速効性があり、雑草のみを処理できて

土壌に浸透もしないので使いやすいです。

・粒剤タイプ(土壌処理型) 

雑草が生え始めの処理や、予防に向いています。速効性はないですが長時間の効果あります。

・ハイブリットタイプ(茎葉処理・土壌処理型)

速効性と持続性の効果を併せ持っています。

 

害虫対策

害虫は、雑草が多い場合や乾燥が続くなどの状況で発生しやすくなります。

芽キャベツなどアブラナ科の野菜では、アオムシの害虫被害が多いです。他にも、ハイマダラノメイガ、アブラムシ、ヨトウムシ、コナガなどの害虫がいます。

特に幼苗の期間はしっかりと害虫対策をしましょう。

芽キャベツに発生しやすい害虫

 

 

・アオムシ

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、体長3cmくらいまで成長する。

葉を食害して穴をあける。

夏場は天敵が活発なため、発生は少ないです。冬場は蛹になり越冬します。

特に植え付け直後の食害は、収穫量に影響するので注意しましょう。

対策は、苗を植え付け後に不織布などのトンネル掛けや防虫ネットを使用して、成虫のモンシロチョウの飛来や産卵の対策しましょう。

雑草にも産卵するので、周囲の雑草の処理をちゃんとすることも対策になります。

 

 

・ハイマダラノメイガ

ハイマダラノメイガ

幼虫が葉を食害します。体長20mmほどで色は薄黄色です。

アブラナ科の野菜に多く発生する害虫で、暖かい春から発生し1年に世代交代を繰り返して発生していきます。

葉脈などの中に潜むことがあり、新芽を好んで食害するため生長が阻害されて大きな被害が出ます。

対策方法は、被害場所をチェックし見つけたら駆除する。防虫ネットなどを使用して成虫の飛来や産卵の対策しましょう。

 

 

・アブラムシ

アブラムシ

病気を媒介することがあり、ウイルス病を伝染させる可能性があります。

葉の裏で吸汁するので、葉の萎縮、生育阻害を引き起こす。

体長1~3mmの小さな虫で、一年を通して発生し葉などの汁を吸って増え、短期間で増殖する厄介な害虫です。色は赤っぽい色、緑色、黄色、黒色など様々です。

対策方法は、見つかった場合はその葉は処理して、被害を受けた近くにマルチングするなどして対策します。

発生初期にしっかり駆除することが大事です。大量発生してしまった場合など薬剤を用途に合わせて使用しましょう。

 

 

・ヨトウムシ

ヨトウムシ

 

芽キャベツを食害するヨトウムシには、ヨトウガ、ハスモンヨトウの幼虫がいます。

夜に出てきて様々な植物などに発生し食害する。成長すると昼間は土の中に隠れ、夜に活動しはじめる。

成虫のヨトウガは、葉の裏に卵を産み付ける。

対策方法は、植え付け前に土壌をよく耕して幼虫や蛹を見つけたら駆除します。

植え付け後は、防虫ネットなどを使用して成虫のヨトウガの飛来や産卵の対策しましょう。

葉の裏に大量に卵を産み付けるため、葉の裏をまめにチェックしましょう。

見つかった場合はその葉は処理します。

葉に被害が出ても見つからない場合は、土の中を探ってみます。見つけたら駆除します。

薬剤などを用途に合わせて使用しましょう。

 

 

・コナガ

コナガ

 

表面に細い毛が生えている蛾の幼虫。体長10mmほどで、色は薄黄色~薄緑色です。

アブラナ科の野菜に多く発生する害虫で、暖かい春から発生し1年に世代交代を繰り返して発生していきます。

葉の表面を食害して白い跡を残す。放置すると食害されたところが破れる場合があります。

特に幼苗の時期の被害は、生長が阻害されて大きな被害が出ます。

対策方法は、被害場所をチェックし見つけたら駆除する。防虫ネットなどを使用して成虫の飛来や産卵の対策しましょう。

 

病気予防

病気は、べと病、菌核病、立枯病、根こぶ病などがあります。  

病気の原因としては、葉が込み合って日当たりが悪い、土壌の多湿、排水不良などでなりやすくなります。

芽キャベツがかかりやすい病気

・べと病

べと病はカビが原因で起こる病気で、多湿や長雨(梅雨や秋雨)のときに発生しやすいです。

地面に近い下の葉から進行して葉の表面に薄い黄色のような病斑ができ、被害が進んでしまうと病斑が拡大してカビが発生し、やがて中央が黒くなって枯れてしまいます。

さらに厄介なのが、病気にかかった葉からカビの胞子が作られると風で飛散し伝染していくため、他の野菜にも感染のおそれがあります。

予防法は、水のやりすぎに注意し根元の風通しをよくすることが大事です。

発病した枯れた葉はすぐに取り除き、畑の外で処分します。落ち葉にも注意しましょう。

薬剤を使用する場合は、総合殺菌剤がおすすめです。広範囲の病気に対して防除効果があります。

・菌核病

菌核病もカビが原因で起こる病気で、多湿な環境で発生しやすいです。

芽キャベツなどのアブラナ科だけではなく、他の作物にも感染します。

葉の一部が水に染みたようになって腐敗します。被害が進んでしまうと病斑が茎を伝って他の部分に伝染します。べと病と同様に、病気にかかった葉からカビの胞子が作られると風で飛散し伝染していくため、他の野菜にも感染のおそれがあります。

予防法は、アブラナ科の野菜の連作を避けましょう。

肥料切れや水のやりすぎに注意し、土壌の排水をよくすることが大事です。

発病した葉や茎はすぐに取り除き、畑の外で処分します。

薬剤を使用する場合は、総合殺菌剤がおすすめです。広範囲の病気に対して防除効果があります。

・立枯病(苗立枯病)

立枯病は糸状菌のカビが原因で起こる病気で、水はけが悪く、長雨(梅雨や秋雨)の時に発生しやすいです。

根にカビが感染し腐敗させて、養分の吸収を妨げてしまいます。

葉が黄色に変色したり、株がしおれたりした場合は注意です。被害が進んでしまうと、根が茶色に変色し立ったままで枯れてしまいます。

一度感染すると、感染した作物を処理した後も土壌に胞子が残っていたり、菌糸が付着したものがあると再発する場合があります。苗立枯病は、立枯病が発芽から幼苗の時期にかかることです。

予防法は、アブラナ科の野菜の連作を避けましょう。植え付け前に薬剤を土壌に染みこませることで効果があります。

肥料切れに注意し、土壌の排水をよくすることも大事です。

発病した株はすぐに取り除き、畑の外で処分します。

 

薬剤には様々なタイプがあるので、その時の状況や用途に合わせて作物への影響を考慮した上で使用することが重要です。やみくもに使うことはやめましょう。

もちろん何も使わずに雑草を処理し、害虫や病気を防止・管理していけるのが望ましいですが、実際のところなかなか難しいと思います。

困ったときや手に負えない場合には、薬剤を正しく使用して助けてもらうのも1つの方法かと思います。

 

病気や害虫による大きな被害を防ぐために重要なのは、生育環境を適切に維持するということです。

日当たり、水はけ、風通しは良好か、水やり、肥料の量は適切か、肥料や土に問題はないか、など挙げればキリがないほどありますが、適切な管理を行い大事に育てた野菜を守ってあげましょう。

 

 

ここまで、芽キャベツの栽培方法と育て方に関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験やアドバイス等を、参考にさせて頂き学ばせてもらい

書かせて頂きました。

是非、これから農業を始める方や興味をお持ちの方に読んでいただけると幸いです。

【ジャガイモ(秋ジャガ)の栽培方法と育て方】

ジャガイモ

 

ジャガイモ(秋ジャガ)の栽培方法(タネイモ植えから収穫、保存方法まで)をご紹介します。

 

ジャガイモ栽培は春作が一般的ですが、暖かい地域では夏の終わりに植え付ける

秋作のジャガイモも作ることができます。

 

ジャガイモの栄養

ジャガイモの栄養は、ビタミンC、ビタミンB1、B2、食物繊維、鉄、カリウム必須アミノ酸も豊富に含んでいます。

カリウムは体内の塩分調節をしてくれるので高血圧の予防に効果があり、ビタミンCは免疫力を高めます。

特にジャガイモのビタミンCは熱に強く壊れにくいので、加熱調理をするジャガイモに適しています。

栄養満点で健康にも美容にもよい野菜です。

 

秋ジャガとは

秋ジャガは、夏から秋にかけて栽培します。まだ残暑が続く9月頃に植え付けて

11~12月頃に収穫する秋作という作型です。

春ジャガと同じくらいの約3ヶ月で収穫できます。

秋ジャガは、春ジャガに比べ収穫量はやや少ないですが、ジャガイモのでんぷん価が高くホクホク感が増すという特長があります。

気温の低い時期に貯蔵するので、3ヶ月ほど貯蔵してもほとんど芽が伸びないため(イモが休眠するため)長期間利用できます。

秋作をする夏から秋は、害虫や台風の危険性も高くはなりますが

植え付け時期や適した品種など、秋作のポイントをおさえれば比較的簡単に栽培できます。

 

秋ジャガ栽培のポイント

・ウイルス病を避けるためにタネイモは購入しましょう。

※タネイモで売っているものは管理されているので安心ですが、食用のジャガイモや収穫したジャガイモは、タネイモとして利用しないこと。病気ある場合に伝染してしまう可能性があります。

・生育の適温は15~20℃前後

・春植えの品種と秋植えの品種があるので、間違えないように注意する。

・栽培に適した期間が短い。涼しくなり始める時期に植え付ける。

(暖地:9月上旬~中旬が目安、中間地:8月下旬~9月上旬が目安)

・そうか病の原因になるため、石灰量は少なめにする。

・暑さで腐敗しやすいため、タネイモはなるべく切らない(大きさによって切る)

・芽かきや土寄せなどの手入れのタイミングを逃さないように注意する。

・茎葉が枯れるまでイモは生長するため、収穫は茎葉が十分枯れてから。

 

秋ジャガにおすすめの品種

秋ジャガの栽培は、秋作に適した品種を知った上で選ぶことが重要になります。

生育の適温期間が短いため、早い段階で芽出しをすることが大事です。

では、秋作に適した品種を見ていきましょう。

・デジマ、アンデス赤、ニシユタカ、アイユタカ、さんじゅう丸、普賢丸、農林1号、西海31号などの品種が挙げられます。

ジャガイモでも有名な男爵やメークインは秋作には向いていません。

左  デジマ      右  アンデス



【栽培時期】

秋ジャガの栽培には適した品種、適した時期を守りましょう。

適した品種ではないと、出芽が遅くなり寒さで枯れてしまいます。

暖地は9月上旬~下旬を中間地は8月下旬~9月上旬を目安に植え付けをしましょう。

近年は気温が上昇しているので9月上旬以降に植え付けるなど、地域ごとの気温によって調整してみるといいでしょう。

植え付け時期も早く植えた場合は、暑さでタネイモが腐敗して芽が出ない。

遅く植えた場合は、生育の終盤で寒さによりイモが大きくならない、収穫量が少なくなる。

などの影響が出てしまいます。

植え付け後、2~3週間後に出芽します。

 

【植え付け前の準備】

タネイモとは植え付けるために作られたジャガイモです。

植え付け前の準備として、タネイモの準備をしておきます。

秋ジャガの植え付けはまだ残暑の残る暑い時期に行うので、タネイモを切って植え付けると腐りやすくなってしまいます。そのため50g以下のタネイモは切らずに植えます。

50g以上の大きいタネイモを植える場合は切りましょう。

切り方は、タネイモの頂部(芽のついた部分)を中心にして縦方向に切断します。(各片に

芽が均等につくように)

切り終えたら、風通しのよい場所で2日程度乾燥させます。

切り口が十分乾燥してから植え付けます。

※植え付けの前に切り口に、じゃがいもシリカ(土壌改良剤)、草木灰、ハイフレッシュ

などを付けると腐敗しにくくなります。

じゃがいもシリカ



【土づくり】

秋ジャガを育てる土にするためには

・植え付けの2、3週間前に、深さ25~30cm程度で耕うんして日光と空気に当てます。

※深めに耕うんする理由は、ジャガイモが土壌に茎(地下茎)を伸ばして実るので、深めに耕すことで根が伸びやすくなります。

掘り返されることで、深いところに潜む病原菌を日光で死滅させる効果も期待もできます。

苦土石灰(中性に近い硫酸カルシウムなどでもいいです)を撒いて耕す。

1平方メートルあたり50g程度(pH(酸度)5.0以下の場合のみ)を撒きます。

事前に酸度を計測しておきましょう。

※そうか病の発生を抑えるため撒く量には注意します。

ジャガイモはアルカリ性の土壌を嫌い、弱酸性からアルカリ性(pH6.5以上)の土壌ではそうか病になりやすいので石灰(カルシウム)の使用時は注意してください。

pH5.0~6.0くらいの範囲に調整しましょう。

・植え付けの2週間前に、堆肥を500g、元肥(化成肥料、窒素、リン酸、カリなど)を

60g程度それぞれ1平方メートルあたりに撒いて耕す。

※連作(同じ場所で同じ作物を育てる)すると、そうか病や青枯病などの土壌病害が発生しやすくなるので注意しましょう。

栽培後は2~3年くらいは間隔をあけて輪作(同じ場所に異なる種類の作物を、一定の順序で繰り返し作物を育てる)をしましょう。連作をしたい場合は対策が必要になります。

 

【畝立て・植え付け方】

・畝は幅50~60cm程度、高さは15~20cm程度で、畝の中央に深さ5cmほどの植え溝を掘ります。(1条植えの場合(条とは畝の列です))

・タネイモを株間(植え付けた間の距離)25~30cmで置いていきます。

・2~3cmほど覆土(土をかぶせる)して、その上に化成肥料(8-8-8)を100~150g撒きます。(1平方メートルあたり)

※その時、イモに直接つかないよう混ぜ込みはしない。

・撒いた上に10cmほど覆土して完了です。

ジャガイモ畝



【水やり】

植え付け後、雨が降らない場合は水やりをします。水やりをすることで発芽が早まり収穫量が多くなります。

順調にいけば、植え付けから2~3週間後に出芽します。

 

追肥・土寄せ】

イモを大きく育てるために追肥と土寄せ(株元に土を盛ること)をします。

タイミングは、1回目は芽かきの後、2回目は花のつぼみのついた頃(1回目から2~3週間

後)です。

※花が咲く前に葉の色が悪くなった場合は、肥料切れになっているので液体肥料などで

栄養を与えましょう。

 

芽かき

ジャガイモ栽培では芽かきをします。1つのタネイモから複数の芽が出てくることが多いため、イモを大きくするために必要な作業です。

芽の数はイモの大きさに比例して、芽の数が多いと小さく、芽の数が少ないとイモが大きく育ちます。

やり方は、芽が地上部に10cmほど伸びた頃に生育のいい1~2本を残して、他の芽はかき取ります。

芽かきの際はタネイモごと引き抜いてしまわないように、片手は必ず株をおさえて行いましょう。かき取る芽は横に引き抜くといいでしょう。

 

花が咲くころにイモが肥大し始めます。花を咲かせたままにしておくと、養分を吸われてしまいます。気づいたら摘み取りましょう。

 

追肥・土寄せ1回目は、草丈が15cm程度に出芽が揃ってきたら、クワや耕うん機で

畝間(畝の両側)を中耕(生育期間に畝間や条間を浅く耕す)してから

化成肥料(カリ、油かす、草木灰、ボカシ肥などをお好みで)20~30g(1平方メートルあた

り)を軽く混ぜて、5~6cm程度に土寄せをします。

追肥後は必ずしっかりと土寄せをしましょう。

※土寄せをすることで根張りをよくさせる効果があり、大きく育ちやすくなります。

その際に除草もしておきましょう。

イモが地上に露出してしまい根が太陽光に当たると、緑化してしまい品質が落ちて

食べられなくなってしまいます。

そのため土寄せは忘れずにしっかりとやるように注意しましょう。

追肥・土寄せ2回目は、1回目から約2~3週間後に同じ要領で肥料は少なめの10~20g

で行います。

※イモに肥料が直接かからないように注意しましょう。肥料焼けを起こしてしまいます。

 

緑化とは 

緑化すると、その部分(ジャガイモの芽にも)にソラニン、カコニンという天然毒素が多く含まれてしまいます。

有害なので、このようなジャガイモを食べると、吐き気、下痢、嘔吐、腹痛、めまい、頭痛などの症状が出るおそれがあります。

土寄せは、緑化させないことで品質のよい健全なジャガイモに育てるための大事な作業

です。

 

【収穫】

秋ジャガは、生育していくと茎葉が枯れていきます。

収穫時期は茎葉が黄ばんで枯れてきてからです。(12月頃が目安です)

※寒くなって霜で葉が枯れた部分があっても、イモは生長し続けます。

ですが、秋ジャガの収穫時期は地表面が氷点下になることもあります。

イモが凍結するおそれがあるので、状況によって早めに収穫しましょう。

収穫のタイミングは、なるべく晴れが続いてよく土壌が乾いている日にしましょう。

湿っていないほうが腐敗の防止になります。

雨の日やまだ土壌が乾ききっていない場合の収穫は、湿った土がイモに付いて腐敗しやすくなります。

もし土が湿った状態で収穫をする場合は、湿った土をちゃんと取ってから収穫後に風通しのよい場所で乾燥させましょう。

収穫方法は、イモを傷つけないように株元から少し離れたところにスコップをさして、土ごと掘り上げて収穫します。掘り上げた後にイモが残っていないか土の中の確認をしましょう。

※収穫の際コンテナに入れる前には、イモに腐敗がないか、芽の部分に食害がないか確認して選別しておきましょう。

 

【保存方法】

収穫し終えたジャガイモは、1~2時間ほど掘った場所で乾燥させます。

その後は日陰で3~7日間ほど、ジャガイモ同士が接触しない程度に離して表面を

乾燥させます。

表面が乾いたらコンテナ、網かご、ダンボールなどに入れ冷暗所で貯蔵します。

適した貯蔵温度は5℃前後です。イモが凍結しないように注意しましょう。

外や気温が低い場合は、ビニールシートや不織布などで覆って凍結しないように対策を

しておきましょう。

暖かくなってくる3月以降に、イモの休眠が明けて芽が伸びてきます。

※収穫したジャガイモは長時間、日に当てないようにしましょう。天然毒素が生成され

食べられなくなるおそれがあります。

 

タネイモの保存

秋ジャガ用のタネイモは、8~9月に入手できます。

※タネイモとして販売しているものを購入するのがおすすめです。

入手してから植え付けまでの保存は、タネイモが暑さで腐敗しないようにコンテナなどに移して、多湿にならない冷暗所で貯蔵します。適した貯蔵温度は20~25℃です。

定期的に貯蔵しているコンテナ内を確認しましょう。腐敗したタネイモがある場合は、取り除きましょう。

他の健全なイモの腐敗の原因になります。

 

【病気・害虫対策】

畑は、ちゃんと管理しないと畝の周囲など雑草が生い茂ります。

雑草は、害虫の温床にもなるのでこまめに抜いて管理しましょう。

 

雑草対策は、普通に抜いて処理をする他に、防草シートを敷く、専用の除草剤を使用するなどの方法があります。

雑草対策に適した薬剤の種類

・液剤タイプ(茎葉処理型)  

雑草がすでに生い茂ってしまった場合に速効性があり、雑草のみを処理できて

土壌に浸透もしないので使いやすいです。

・粒剤タイプ(土壌処理型) 

雑草が生え始めの処理や、予防に向いています。速効性はないですが長時間の効果あります。

・ハイブリットタイプ(茎葉処理・土壌処理型)

速効性と持続性の効果を併せ持っています。

 

害虫は、雑草が多い場合や乾燥が続くと発生しやすくなります。

秋ジャガに発生する代表的な害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、オオタバコガ、テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)、センチュウ類などの害虫がいます。

 

・アブラムシ

アブラムシ

病気を媒介することがあり、ウイルス病を伝染させる可能性があります。

葉の裏で吸汁するので、葉の萎縮、生育阻害を引き起こす。

体長1、2mmの小さな虫で、一年を通して発生し葉などの汁を吸って増える。

短期間で増殖する厄介な害虫です。

対策方法は、見つかった場合はその葉は処理して、被害を受けた近くにマルチングするなどして対策します。

発生初期にしっかり駆除することが大事です。薬剤などを用途に合わせて使用しましょう。

 

・ヨトウムシ

ヨトウムシ

夜に出てきて様々な植物などに発生し食害する。成長すると昼間は土の中に隠れ、夜に活動しはじめる。

成虫のヨトウガは、葉の裏に卵を産み付ける。

対策方法は、葉の裏に大量に卵を産み付けるため、葉の裏をまめにチェックしましょう。

見つかった場合はその葉は処理します。

葉に被害が出ても見つからない場合は、土の中を探ってみます。見つけたら駆除する。

薬剤などを用途に合わせて使用しましょう。

 

・オオタバコガ(タバコガ)

オタバコガ

表面に細い毛が生えている蛾の幼虫。

成虫は大量の卵を産み、とても繁殖力の強い害虫。

対策方法は、被害場所をチェックし見つけたら駆除する。防虫ネットなどで成虫の飛来、

産卵を防ぎましょう。薬剤などを用途に合わせて使用しましょう。

 

テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)

テントウムシダマシ

テントウムシではあるが、一般的に知られているテントウムシとは違う害虫。

一見似ているが、背のホシの数が多く色も少しくすんでいる。(名前の通り黒斑が28ある)

本来のテントウムシは、アブラムシを食べてくれる農業にとっては

友好的な虫(テントウムシはアブラムシ以外食べない)だが、テントウムシダマシはナス科の野菜の葉を好んで食害する。

※ちなみに、ナス科の葉を好むのになぜジャガイモの葉を食べるのかというと、ジャガイモはナス科に分類されているからです。サツマイモとサトイモはナス科ではないです。

対策方法は、幼虫・成虫ともに葉の裏に棲みつくので見つけたら駆除する。

薬剤使用の際は、葉の裏を重点的に散布していくと有効的です。

周辺に昆虫などがいれば食べてくれたりする可能性もあります。

 

・センチュウ

センチュウ


野菜の根に穴を開けて侵入する。

作物の生長が遅くなったりするため収穫量に影響する。

傷口から病原菌が入ると、立ち枯病などの病気が発生する場合がある。

対策方法は、連作はしないことです。土壌環境のバランスが崩れて病害虫が発生する可能性があります。

一度発生した場合は、土壌を消毒する、土を入れ替えるなどしましょう。

 

マリーゴールド

マリーゴールドを一緒に植えるのも1つの方法です。

マリーゴールドは植物のお医者さんと呼ばれるほど、コンパニオンプランツの中でも

優秀です。

いろんな植物との相性がよく、葉のにおいに防虫効果があります。

根の分泌液は、土中の害虫を遠ざけるので厄介なセンチュウなどに効果が見込めます。

 

育てたい・育てている作物との相性を調べた上で、その作物ごとにコンパニオンプランツを植えて害虫対策という方法も自然に予防ができるので、選択肢として考えてみては

いかがでしょうか。

 

病気は、そうか病、青枯病、灰色かび病、乾腐病、黒あざ病、指斑病などがあります。  

 

・そうか病

かさぶたを意味していて、その名の通りジャガイモの表面に丸い5~10mm程度のかさぶた状の病斑ができます。

そうか病になると、市場性を損ない商品化ができなくなる深刻な病気です。

ただ、皮を厚くむけば食べることはできます。味も健全なものとほとんど変わらないです。収穫量にもほとんど影響はしません。

※弱酸性~アルカリ性(pH6.5)以上の土壌で多発するため、石灰を撒く際には量には注意しましょう。

 

・青枯病

発見したら他の株に伝染しないように、すぐに株ごと抜いて処分しましょう。

病気は、酸性土壌、窒素成分の多い肥料の使い過ぎ、土壌多湿、排水不良などで

なりやすくなります。

症状に合わせて薬剤を散布するなどして対処しましょう。

 

※他の作物の【害虫対策】にも害虫の種類、特徴、対策などを書いていますので

そちらも参考までに見ていただけたらと思います。

 

薬剤には様々なタイプがあるので、その時の状況と用途に合わせて作物への影響を

考慮した上で使用することが重要です。やみくもに使うことはやめましょう。

もちろん何も使わずに雑草を処理し、害虫や病気を防止・管理していけるのが

望ましいですが、実際のところなかなか難しいと思います。

困ったときや手に負えない場合には、薬剤を正しく使用して助けてもらうのも

1つの方法かと思います。

 

病気や害虫による大きな被害を防ぐために重要なのは、生育環境を適切に維持する

ということです。

日当たり、水はけ、風通しは良好か、水やり、肥料の量は適切か、肥料や土に問題は

ないか、など挙げればキリがないほどありますが、適切な管理を行い大事に育てた野菜を守ってあげましょう。

 

 

ここまで、ジャガイモ(秋ジャガ)の栽培方法と育て方に関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験やアドバイス等を、参考にさせて頂き学ばせてもらい

書かせて頂きました。

是非、これから農業を始める方や興味をお持ちの方に読んでいただけると幸いです。

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週末農業日記として、農業に奮闘する様子を紹介しているので読んでいただけると幸いです。

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【九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方】

九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方】

九条ネギ


九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法(苗植えから収穫)をご紹介します。

 

干しねぎを知っていますか?

ねぎはもちろん知ってるけど。干しねぎは・・・知らないな。という方もいると思います。

 

干しねぎとは

正直なところ、私もあまり聞き慣れてはいませんでした。

干しねぎとは、九条ねぎなどの葉ねぎを干して乾燥させたものなんです。

干してあるためそのまま食べれるわけではなく、再び土に植え栽培して育てることで

食べられるねぎになります。

 

ではなぜ、わざわざ干す必要があるのでしょうか。そのメリットとして

・干すことで、発根が良くなり大株(太く大きくなる)に育ちやすい

・干しねぎの苗から栽培することで、種から栽培しない分、早く生長し育てやすい

というメリットがあるのです。

店や通販など普通に売っていて、夏に植え付けて冬には収穫ができます。

 

ねぎの栄養

ねぎは、古くから薬効成分のある野菜として知られているかと思います。

栄養成分は、アリシン・βカロテン・食物繊維・カリウム葉酸・ビタミンC・

独特の辛み成分に、血行促進・疲労回復・抗酸化作用・殺菌作用・冷え予防・免疫力を

高める効果があり、風邪の症状などに効果があるといわれています。

 

味噌汁などの汁物や鍋の具、炒め物や太い種類のものなら焼き鳥やそのまま焼いて

焼きねぎに、薬味に、と結構レパートリーもあります。

熱に弱いねぎは、栄養効果を期待するためには生食で食べるのが一番栄養がとれるので

おすすめです。

私は、薬味として小ねぎ(万能ねぎ)が好きです。(馴染みがあるから)

納豆や冷ややっこ、麺類などに、ちなみにTKG(卵かけご飯)に混ぜたあとアクセントに

入れるのもサッパリしておいしいです。

 

【栽培時期】

干しねぎの植え付け時期は、一般的には8月下旬~9月頃が目安となります。

7月に植えるところもあるようです。各地域で気温差もありますので

気候などに合わせて植え付けましょう。

 

※通常の栽培方法をご覧になる方は、次の項目は飛ばして土づくりからご覧ください。

※干しねぎを作る

干しねぎを自分で作りたい場合、まずは干しねぎの元になるねぎの栽培からです。

かといって特別な栽培をするわけではありません。

普通の栽培方法から干しねぎにするのです。

 

干しねぎを作るためには、秋まき栽培がおすすめです。

10月に種まきを始める方法と、4月に種まきを始める方法との2つの作型があります。

10月まきのメリットは、栽培期間は長いですが最終的には10月上旬くらいには収穫できることです。

4月種まきでの収穫は11月上旬くらいになります。

 

10月まきの栽培方法

・10月に種まきをし3月頃まで育苗(苗を育てる)します

・畑に植え付けて7月上旬ごろに株を掘り上げて収穫する

・収穫したら約1ヶ月間(20~30日間くらい)乾燥させる

乾燥方法

・地干し 掘り上げたその場で、1週間程度並べて干します(雨の場合は引き上げる)

・本干し 土を落として葉を束ねる、しばるなどして風通しの良い場所にかけて

2週間ほど干します(直射日光に当たらないよう陰干しで)

これで干しねぎの完成です。

 

【土づくり】

土づくり

干しねぎを育てる土にするために

・植え付けの1週間前に苦土石灰を撒いて耕します(1平方メートルあたり100g程度)

※ph(土壌酸度)の調整を行いましょう。

 

【植え溝掘り】

植え溝

土づくりができたら、スコップやクワなどを使って植え付ける溝を掘ります。(定植当日)

溝が崩れやすくなるため、耕うん(耕す)はしません。

・溝の幅20cm、深さ5~10cmに掘る

・2列目以降の溝を作る場合は、溝と溝の間は80~90cm程度を目安に作ります

※干しねぎを植え付ける際は、1つの溝に1列に植え付けます。

植え溝が浅いので、土寄せ(株元に土を盛ること)はしなくて大丈夫です。

する場合は、ほんの少しにしましょう。

 

植える前に

植え付けの前に、干しねぎはトリミング(切る作業)をします。

※トリミングは植え付けの直前に、植え付ける量だけやりましょう。

やり方は、枯れた葉を取り、根元から15cmくらいのところで切りそろえる。

左 葉取り  右 15㎝カット

 

【植え付け方】

植え付け

植える分のトリミングが終わったら、いよいよ苗の植え付けをします。

・株間(植え付けた株と株の間の距離) 10~20cmの間隔で、苗を植え溝に1列に立てて

いきます

・掘った時に盛り上がった土を溝に落とします

・溝に土を2~3cm程度入れたら、苗を安定させるために、足やクワで踏み固めます

・乾燥と倒状(風や雨での倒れ)を防止するため、藁(わら)や干し草を入れたり、周り

にも敷くなどしましょう

植え付けわら使用

 

 

【水やり】

干しねぎの水やりは、発根を促すために植え付け後は控えましょう。

土中まで乾燥してしまっている場合は、軽めに水をやります。

植え付けから4、5日後、土が乾いていれば水やりをします。

※雨が降れば大丈夫なので、基本的に水やりは不要です。

 

植え付けが終わったとき雨の防止の為に、降りそうなときにブルーシートなどで

覆って、乾燥を保つというやり方もあります。

※雨による水分過多の防止にはなりますが、自然の水分供給がない分、土中の乾燥状態をちゃんと管理して水分調整をする必要があります。

 

追肥・土寄せ】

追肥のタイミングは、1回目は植え付けから1ヶ月後に行います。

化成肥料50g(1平方メートルあたり)を施し、中耕(浅く耕す)をして軽く土寄せをします。

そのあとも1ヶ月ごとに同じように行います。

九条ねぎを干しねぎにしたい場合は、土寄せをしっかりとすることで軟白の部分を大きくできます。

九条ねぎは分けつ(根元から新しい株が生え分かれる)しやすく緑葉の部分が多く

出てきますが、分けつしている部分の下くらいまで土寄せをします。

その際、分けつしているところが土で隠れないように注意をしましょう。(生育不良に

なる場合があります。)

 

【収穫】

干しねぎは、早ければ植え付けから約2ヶ月くらいで収穫ができるようになります。

収穫方法は

・株ごと掘り起こす

鍋の具などに使用する場合は、ある程度草丈が大きくなったら株ごと掘ります。

・地上部だけを刈り取る

薬味などに使用する場合は、刈り取ることでまた同じ株から生えて何回か収穫できます。

そのために、収穫後は新芽が出てくるように追肥をちゃんとして栄養を与えましょう。

 

長く収穫をしたい場合は、年内は地上部だけを収穫し、年明けの寒さにあたる頃(1~2月頃)に株ごと収穫するといいでしょう。

※低温にあたることで、糖度が上がり甘みとおいしさが増します。

 

ねぎ坊主

ねぎ坊主

あまり収穫が遅くなってしまうと、トウ立ちが起こります。その状態になったものが

ねぎ坊主と呼ばれます。

ねぎ坊主が付き始めると生長が悪くなるので、早めに摘み取るか株ごと収穫をしましょう。

 

【保存方法】

九条ねぎや万能ねぎなどの葉ねぎの保存方法は、常温保存、冷蔵保存、冷凍保存、乾燥させて保存と色々あります。

今回は、一般的にやりやすい冷蔵保存と冷凍保存の方法をご紹介します。

・冷蔵保存1 新聞紙で包んで保存

 冷蔵庫にスペースがあれば、葉ねぎ(青ねぎ)を新聞紙で包んで野菜室に立てて保存します。立って育った野菜は、立てたままの保存が日持ちします。

 やり方は、新聞紙を広げて葉ねぎを置き全体を包むだけです。

 1週間程度保存できます。

・冷蔵保存2 刻んで保存

 水洗いして水分をよくふき取ります。小口切りにして、ふたつきの密封できる容器に

入れて冷蔵保存します。(切り口から水気が出てくるので、容器の底にキッチンペーパーを折りたんで入れておくのがポイントです。)

カットした分、日持ちはしなくなりますが、使い勝手がよくなり薬味として気軽に使えます。

3、4日程度保存できます。

・冷凍保存 刻んで保存 

冷凍保存でも同じようにカットして、ラップで包むか、冷凍可能な密閉できる保存袋で冷凍保存します。密閉袋は空気を抜き、しっかりジッパーを閉めましょう。

長く保存はできますが、その分、水気が出たり味や香りは落ちます。

ですが、約1ヶ月保存できるので、冷蔵しても使い切れない場合に重宝します。

 

【病気・害虫対策】

畑は、ちゃんと管理しないと畝の周囲など雑草が生い茂ります。

雑草は、害虫の温床にもなるのでこまめに抜いて管理しましょう。

 

雑草対策は、普通に抜いて処理をする他に、防草シートを敷いたり、専用の除草剤を使用するなどがあります。

雑草対策に適した薬剤の種類

・液剤タイプ(茎葉処理型)  

雑草がすでに生い茂ってしまった場合に速効性があり、雑草のみを処理できて

土壌に浸透もしないので使いやすいです。

・粒剤タイプ(土壌処理型) 

雑草が生え始めの処理や、予防に向いています。速効性はないですが長時間の効果あります。

・ハイブリットタイプ(茎葉処理・土壌処理型)

速効性と持続性の効果を併せ持っています。

 

害虫は、雑草が多かったり乾燥が続くと発生しやすくなります。

干しねぎに発生する害虫は、ネギハモグリバエ、ネギアザミウマ、ネギコガ、ヨトウムシ、ネキリムシ、ネダニなどの害虫がいます。

特に、ウイルス病を伝染させる可能性があるアブラムシには注意が必要です。

体長1、2mmの小さな虫で、一年を通して発生し短期間で増殖する厄介な害虫です。

害虫対策は、なるべく目の細かい防虫ネット(なるべく細かいものでアブラムシ対策になります)などで害虫の飛来や成虫の産卵を事前に防ぐことが大事です。

専用の防虫剤もありますので用途に合わせて使用しましょう。

 

病気は、酸性土壌、窒素成分の多い肥料の使い過ぎ、土壌多湿、排水不良などでなりやすくなります。

また、べと病、さび病は発生しやすく、他にも萎縮病、萎黄病、軟腐病、黒渋病、黒穂病、黒斑病など様々な病気があります。

症状に合わせて薬剤を散布するなどして対処しましょう。

 

※ホーム玉ねぎの【病気・害虫対策】にも病気・害虫の種類、特徴、対策を書いていますのでそちらも参考までに見ていただけたらと思います。

【保存版】初心者のための ホーム玉ねぎ栽培法 完全ガイド - 初心者でも収益につながる農業専門ブログ

 

薬剤には様々なタイプがあるので、その時の状況と用途に合わせて作物への影響を考慮

した上で使用することが重要です。やみくもに使うことはやめましょう。

もちろん何も使わずに雑草を処理し、害虫や病気を防止・管理していけるのが望ましい

ですが、実際のところなかなか難しいと思います。

困ったときや手に負えない場合には、検討した上で薬剤を正しく使用して、助けてもらうのも1つの方法かと思います。

 

病気や害虫による大きな被害を防ぐために重要なのは、生育環境を適切に維持するということです。

日当たり、水はけ、風通しは良好か、水やり、肥料の量は適切か、肥料や土に問題はないか、など挙げればキリがないほどありますが、適切な管理を行い大事に育てた野菜を守ってあげましょう。

 

 

ここまで、九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方に関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験やアドバイス等を、参考にさせて頂き学ばせてもらい

書かせて頂きました。

是非、これから農業を始める方や興味をお持ちの方に読んでいただけると幸いです。

 

 

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【保存版】初心者のための ホーム玉ねぎ栽培法 完全ガイド

【ホーム玉ねぎの栽培方法と育て方】

玉ねぎ

ホーム玉ねぎの栽培方法(種まきから収穫、保存方法まで)をご紹介します。

 

ホーム玉ねぎは、玉ねぎの中でも簡単に育てられる品種です。

別名サラダ玉ねぎとも呼ばれる小型の玉ねぎで、種からではなく種球(小さい玉ねぎ)を

植えるタイプなので、初心者の方でも簡単に育てらます。

 

栄養がたっぷり

玉ねぎというと、血液をサラサラにする成分が有名かと思います。

健康野菜で、糖質・ビタミンB、C・カリウム・リンアシン・ケルセチン・食物繊維などが豊富に含まれているのです。

サラダ玉ねぎと呼ばれる通り、柔らかく甘みも強いのでサラダにして食べるのがおすすめです。オニオンリングなどもおいしいです。

 

【栽培時期】

玉ねぎは早生種・中生種・晩生種と3つの分類があり、ホーム玉ねぎは早生種に分類され、植え付け時期は8月~9月で、収穫時期は11月以降となります。

植え付け時期はまだまだ暑い可能性が高いですが、できるだけ暑さが和らいでからが望ましいです。

 

注意すること

・日当たりの良い場所で育てる

・肥料のやりすぎや遅効性肥料は、病気や害虫が発生しやすくなるので注意する

苦土石灰でしっかりと酸度調整をする

・植え付け時は、種球の先端が見える程度に

・大玉に育てるためには適した時期に追肥を行う

・水のやりすぎには注意する(乾いていなければ雨などで大丈夫です)

 

【土づくり】

土づくり

ホーム玉ねぎを育てる土にするためには

・2週間前に苦土石灰150gを撒いて耕します

※酸性土壌に弱いので、事前にpH(酸度)の調整をしっかり行いましょう

・1週間前に堆肥2~3kg、化成肥料(15-15-15)100g、ヨウリン50gをそれぞれ1平方メートルに施す

※堆肥2~3kg、化成肥料(14-14-14)150gでも代用可能

元肥は全面に撒いて耕すこと

 

種(今回は種球)を植え付ける1週間前までに、全ての土づくりを完了させておきます。

 

注意点は、土づくりが終わってすぐに植え付けはしないことです。

石灰のアルカリ分が強いので根を傷めてしまいます。

 

【畝立てとマルチング】

土づくりができたら、畝を作ります。

・高さ10~15cm、幅60~100cm(横幅)

できるだけ畝は平らにならして仕上げると、あとで追肥をしやすくなります。

畝立て後は、植え付けの前にマルチを貼ります。

畝 マルチシート


玉ねぎは、マルチングをすることで雑草や害虫対策になり、管理がしやすくなります。

マルチは黒色がいいです。黒色のマルチを使うことで、マルチの下に太陽光が届かないため雑草が生えなくなります。

マルチの穴や畝の間に生えてくる雑草の処理だけで済むので、管理もしやすくなります。

雑草が生えると種球の生育が雑草に負けてしまうため、雑草の管理がとても重要なのです。

 

もう1つのメリットとして、黒色のマルチは地熱を上げてくれます。

地熱が高いと発根しやすくなり、生長を促すので球が大きく育ちやすくなります。

唯一のデメリットは、マルチは畝を覆っているため追肥がしにくいことです。

ですがメリットのほうが遥かに上回るので、黒色マルチの使用をおすすめします。

 

では、マルチを貼っていきましょう。

畝の外側にマルチを置き、マルチ用の杭(クイ)を隅にうって固定します。

マルチを畝にそって広げていき、畝の外側まで貼れたらこちらも杭を隅にうちます。

マルチのふちに土をかぶせて、風で飛ばないように固定しましょう。

 

【植え方】

 

玉ねぎ植え

種球を植える際は、株間(植え付けた株と株の間の距離) 10cm、条間(隣り合った株間と株間の間の距離、1列)20cm程度が目安です。

 

穴あきマルチを使用することで、丁度いい間隔で穴があいているので植え付けに便利です。

深さは1cmの植え穴を掘り、種球の先端が少し見える(1/3くらい)ように浅植えします。

(深植えしすぎると生育が悪くなってしまいます。)

 

植え付け後は、根付くまで乾燥に注意して水はたっぷりと与えましょう。

発芽期間は植え付けから1週間~10日くらいです。

 

ねぎ坊主

ねぎ坊主

玉ねぎは、植える時期が遅く低温に当たってしまうとトウ立ちしてしまいます。

その状態になったものを、ねぎ坊主と呼びます。

ねぎ坊主が出ると大きく育たなくなってしまうので、早めに摘み取りましょう。

摘み取る時は、りん茎の分かれ目から5~6cmくらい残して取ってください。

ちなみに、天ぷらにして食べることもできます。

ねぎ坊主が伸びた株は、芯が固くなってしまうので葉玉ねぎとして食べましょう。

 

【水やり】

水やり

水やりは、芽が出るまでの1週間~10日くらいは、乾燥しないようしっかりと行いましょう。ホーム玉ねぎは、加湿に弱いため発芽後は乾燥気味にして育てます。

ですが1週間以上晴れが続いた場合は、多めに水をやりましょう。

 

追肥

肥料

追肥のタイミングですが、1回目は植え付けから1ヶ月で行います。

1株当たり化成肥料10gを施し、周りの土と混ぜます。

2回目は、その1ヶ月後(植え付けから2ヶ月)に同じ要領で行います。

水やりを兼ねて薄めの液肥を週1回与えることも効果的です。

 

マルチを張っている場合は、1穴ごとにひとつまみずつ化成肥料を施すのがいいでしょう。

 

畝が平らにならされた状態なら、畝の穴にそって肥料(1平方メートルあたり30~50g程度)を撒いていきます。マルチに肥料が残っても、雨で溶けて穴に入っていきます。

畝がでこぼこな場合は、雨で溶けても低い位置にある穴に肥料が偏ってしまったり、全体に肥料成分が行き届かない可能性があるので、このやり方はやめましょう。

 

マルチをまくり、畝の片側(植え付けをしてある山の端)に施して耕しマルチを戻す。というやり方もありますが、マルチを剥がして張り直すという手間がかかります。

 

追肥は1回目を行った時期から球の肥大化が始まります。葉の色が悪くなると追肥が必要なサインです。

それぞれ合った方法と適切なタイミングで、追肥をして大きく生長させましょう。

追肥では、遅効性の肥料は病気の発生要因となるので速効性の肥料を使用すること

 

【収穫】

玉ねぎ収穫

ホーム玉ねぎは、収穫間近になると茎葉が自然に折れて倒れてきます。

そこから1週間ほどはまだ玉は太るので、茎葉が倒れて1週間程度が収穫適期です。

収穫時期は、植え付け時期により前後しますが10月~1月頃となります。

 

収穫方法は、球の近くの茎を持って引っこ抜きます。先端を持って抜くと、ちぎれてしまうので注意してください。

収穫が遅れると、柔らかい球になってしまい貯蔵性が悪くなります。収穫適期を逃さないようにしましょう。

 

収穫した球が小さなうちは、茎葉が柔らかく葉玉ねぎで食べられます。鍋の具材や炒め物がおすすめです。青ねぎの代用としても使えます。

 

【保存方法】

ホーム玉ねぎは、早生種なので保存期間が短いです。そのため数日晴れた時に収穫します。

雨が続いた後すぐに収穫すると、玉が余分な水分を吸って水太りになります。

その状態だと腐りやすくなってしまいます。

 

抜いた後に2~3日ほど日陰で乾燥させます。乾燥が足りないと、切り口から乳液状の汁がにじみ出てカビで腐る原因にもなります。

 

しっかり乾燥させた後は、茎を5~10cmくらい残して切ります。

茎葉のあたりをヒモで結んで、5~10個の吊り球を作ります。(個数はお好みで調整)

そのあとは直射日光を避け、風通しのよい場所に吊るして保存しておきましょう。

ネット使うと便利で、入れて吊るすだけなので簡単にできます。

 

高温多湿に弱いため、基本的には多湿になる冷蔵庫に入れるよりもこの保存方法が向いています。

 

ただ、吊るす場所の確保が難しい場合は、密着しすぎない程度にダンボールに入れ日陰で保存するやり方もあります。(ただし、気温の高い夏場の常温保存はNGです)

 

玉ねぎはなるべく常温保存が好まれますが、気温の高い夏場などの保存方法は冷蔵庫に入れましょう。

冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙に1つずつ包んでビニール袋に入れて、湿気対策を充分にしてから保存するといいです。野菜室で保存できるとなおいいでしょう。

 

【病気・害虫対策】

農業の天敵である病気や害虫。その種類ごとに、ホーム玉ねぎに対する病気・害虫の対策をしていきましょう。

 

ホーム玉ねぎに発生しやすい病気

・腐敗病、灰色腐敗病、軟腐病、萎縮病、黒斑病、べと病など

病気が発生する原因として

・酸性土壌、窒素成分の多い肥料の使い過ぎ、土壌多湿、排水不良などが挙げられます。

 

べと病

特にべと病は、カビが原因で起こる病気で長雨のときに発生しやすいです。

葉の表面に薄い黄色のような斑点ができて、被害が進んでしまうとその葉から枯れてしまいます。

さらに厄介なのが、病気にかかった葉からカビの胞子が飛散し伝染していくため、発病した葉は早く取り除き、畑の外で処分をすることが大事です。

薬剤を使用する場合は、総合殺菌剤がおすすめです。広範囲の病気に対して防除効果があります。

 

ホーム玉ねぎに発生しやすい害虫

・ネギアザミウ

ネギアザミウ

特徴は、様々な植物に発生する害虫で、成虫になっても地面近くにいることが多い。

原因は、複数の作物を同じ場所で育てていたり、雑草が多いと発生しやすいです。

被害を受けると、葉に白っぽい小さな斑点が残ります。

対策方法は、雑草を丁寧に取り除くこと、マルチ張りで飛来、蛹(さなぎ)化の対策になります。発生してしまった場合は、初期に蒸しこみ(太陽光)による処理があります。

大量発生してしまうと、薬剤も効かなくなってしまいます。

 

・ネギハモグリバエ

ネギハモグリバエ

特徴は、幼虫は体長3mm以下の小さな虫。葉の内部に生息する。

被害は、葉が奇形になることがあります。葉の中を食べ進み食害していきます。侵食して白

い筋のような跡を残し、多発すると葉全体が白っぽくなります。

一部は葉の内部に卵を残し、幼虫が葉からりん茎まで侵入します。

対策方法は、周囲の葉への被害の広がりを防ぐため、食害された葉を取り除くことです。

 

・ヨトウムシ

ヨトウムシ

特徴は、様々な野菜に発生する害虫。夜行性で昼間は土中に隠れ夜に活動しはじめる。

成虫のヨトウガは、葉の裏に卵を産み付ける。

原因は、成虫が飛来してくる可能性があるため、周囲に別の作物がある場合に注意しましょう。

対策方法は、植え付け前に畑をよく耕す。幼虫や蛹を見つけたら、駆除する。

成長すると昼間は土中に隠れてしまい、さらに成虫は薬剤への抵抗性が高いため、幼虫の時

期に捕殺したり薬剤で対処します。

葉の裏をチェックし、卵を見つけたら孵化(ふか)する前に葉ごと取り除く。

成虫のヨトウガの飛来、産卵を防ぐため、べたがけ(不織布や寒冷紗などで直に畝を覆うこと)やトンネル(支柱を立て、ビニールなどでトンネル状に畝を覆うこと)で防止します。

 

・ネギコガ

ネギコガ

特徴は、幼虫は小さく上記のネギハモグリバエに似ている。見分けるには幼虫を取り出し観察する。

被害も上記のネギハモグリバエに似ています。 

対策方法は、幼虫はサイズが小さく防虫ネットで防除するのが難しいため、葉をチェックし

て見つけたら捕殺します。蛹も見つけたら駆除する。

周囲の葉への被害の広がりを防ぐため、食害された葉を取り除くことです。 

 

・アブラムシ

アブラムシ

特徴は、玉ねぎにつきやすく、体長1、2mmの小さな虫。一年を通して発生し短期間で増

殖する。

野菜から吸汁する害虫なので、ウイルス病を伝染させる可能性があるので注意が必要。

被害は、葉全体が萎縮します。モザイク病を媒介(仲介すること)します。

対策方法は、飛来を防ぐため、アブラムシが通れないくらい目の細かい防虫ネットをかけましょう。捕殺は、テープ、歯ブラシなどが便利です。

ウイルス病を伝染させないよう、増殖する前に駆除して被害を最小限にしましょう。

大量発生した場合は、葉ごと処分する薬剤の散布をします。

 

ホーム玉ねぎだけでなく、病気や害虫による大きな被害を防ぐために重要なのは、

生育環境を適切に維持するということです。

日当たり、水はけ、風通しは良好か、水やり、肥料の量は適切か、肥料や土に問題はないか

など挙げればキリがないほどありますが、適切な管理を行い、時には薬剤を使った対処法などを施して大事に育てた野菜を守ってあげましょう。

 

 

ここまで、ホーム玉ねぎの栽培方法と育て方に関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験とアドバイス等を、参考にさせて頂き学ばせてもらいながら

書かせて頂きました。

是非、これから農業を始める方や興味をお持ちの方に読んで頂けると幸いです

知らないと損する畑の土づくり

【農業に重要な土づくり】

野菜を作るには、まずは土づくりが重要です。

良い土づくりをして、よく実った野菜を収穫して食べたい。

では、いい土とはどんなものなのでしょうか。

 

野菜づくり適した土

 

 

野菜づくりに良い土とは

土づくりには、3つの要素があります。物理性・化学性・生物性です。

・物理性(土の構造、保水性、透水性、通気性)

・化学性(pH、肥料成分)

・生物性(生物の多様性)

 

土の中には無数の微生物が活動していて、理想の土の団粒構造も微生物によって

作られます。

生物性がよくなると化学性・物理性もよくなり、水はけなど

物理性がよくなると、生物性・化学性もよくなる。この3つの要素は

お互いに関連し合っているのです。

 

土づくりは、この3要素を改良することで作物の土壌環境を整えることが

重要なのです。

 

団粒構造とは

団粒構造とは、土壌粒子が小粒の集合体を形成している構造のことで、

だんご状になった大小の土の塊がバランス良く混ざり合っています。

粒の間に適度な隙間がたくさんでき、これにより土が柔らかくなり、

保水性・透水性・通気性を兼ね備えた土壌ができるのです。

 

また、粒の隙間には無数の微生物も棲みつくので、その多様性によって野菜を

害する特定の生物(センチュウなど)が蔓延しなくなります。

 

土の中の天敵

センチュウは、自活性線虫、寄生性線虫と種類があり、この寄生性線虫が

植物などを宿主に寄生するので、農作物に悪影響を及ぼします。

その影響は、地下で根に侵入し生育不良を起こし腐敗させるため、地上部の

葉枯れや生育抑制に繋がります。

結果、農作物の品質低下や収量低下などの被害となってしまうのです。

特に、根から侵入するので根菜類にとっては致命的です。

なので、上記の団粒構造の良い土が大事なのです。

 

土の団粒化をするには

ただ土を耕して空気を含ませるということではありません。

土の中に棲む多様な土壌生物(主にミミズ、ダンゴムシなど)の活動のおかげです。

その活動とは、土壌生物が枯れた植物や根を食べ活動し、分泌する粘液が接着剤のような働きをして、土や腐食、ミミズの糞などがくっつき合って団子が作られます。

 

また、かたい土をほぐして耕しているのもミミズなどの土壌生物なのです。

なので、土の団粒化を作るのに大切なのは土壌生物を増やしてあげる事。

そのために、堆肥など土壌生物の食べ物となる有機物を投入してあげることが

土づくりの第一歩となるのです。

 

化成肥料を使うにあたって

化成肥料は、人工的に必要な成分を入れているため栄養成分が多く、素早く農作物に

栄養が届き、速効性が高いというメリットがあります。

簡単に入手でき、有機肥料に比べニオイやガスの発生も少ないです。

 

ですが、土壌生物の食べ物ではなく農作物に対しての栄養なので、

化成肥料だけを使い続けることは、土壌生物の減少を招いてしまいます。

土壌生物が減ると上記のような病害虫が増え、農薬を使わざるを得なくなる場合も

あり、生物の単純化(種類の減少)と悪循環になってしまうのです。

 

化成肥料は便利で使いやすい肥料ですが、そこだけに偏らないよう

このようなメリットとデメリットを把握し、バランスよく使うことがポイントです。

 

土づくりの作業

土づくりの作業は、作付け(種まき、苗の定植)までに期間をあけて行います。

・堆肥を投入(作付けの3週間前、1平方メートルあたり2~3kg程度)

・石灰を投入(作付けの2週間前、1平方メートルあたり100~200g程度) 

アルカリ性を好む野菜の場合、やや多めに散布し耕してなじませる。

元肥を入れて畝(うね)立て(作付けの1週間前、1平方メートルあたり100~200g

程度、ぼかし肥は200~300g程度)

 

投入する際の注意として、この3つを同時に施すと問題が起きる可能性があります。

それは、石灰と、窒素分の多い堆肥やアンモニアを含んだ窒素肥料とを

同時に施すと、窒素分がアンモニアガスとなって逃げてしまうのです。

また、そのガスが農作物を傷めることもあります。

消石灰の使用時は特に注意が必要です。

 

そのため、それぞれを1週間程度の間隔をあけて施します。

土づくりの前に、土壌診断(pH、養分バランス)をして施肥をすることも重要な

ポイントです。

 

堆肥を投入する

堆肥は、有機物(落ち葉、雑草、米ぬか、動物の糞など)を微生物の働きで

発酵・分解させてできたものです。

土に入れることで、微生物と堆肥の有機物が土壌生物の餌となって

活発化します。

そして、微生物の働きで病害虫が発生しにくくなり、土の団粒構造が

よくなって良い土ができるのです。

 

熟した繊維分が多い堆肥を土に投入して耕しましょう。

堆肥


       

 

堆肥の様々な効果

・土をふかふかにする(堆肥の繊維分で隙間ができ、微生物の働きにより

団粒構造ができる)

・病害虫に強くなる(微生物の種類、量が増えることで影響し合って一定の

微生物の異常繁殖を減らせる)

・肥料持ちがよくなる(有機物が分解されてできる腐食が、肥料を吸着し

養分の流出を防ぐ)

 

pH(酸性度)の調整

日本では雨が多いため、土壌が酸性に傾きやすい性質があります。

酸性が強いと野菜の根が傷み、リン酸を吸収しにくくなるなどの影響が出てきます。

かといって、アルカリ性に傾き過ぎても生育が悪くなることがあります。

 

ほとんどの野菜はpH6.0~6.5あたりの弱酸性の土壌が適しています。

そこで石灰資材を投入して、これから栽培する野菜に適したpHに調整します。

投入前にpHを測定しておきましょう。

 

土に混ぜ込んでから酸度調整の効果が現れるまで時間が必要なので、石灰の投入は

作付けの2週間前に行います。

 

元肥の投入と追肥

元肥は、作付けのとき事前に入れる肥料です。

堆肥・石灰を入れてできた畑に、作付けの1週間前に投入して耕します。

 

野菜はそれぞれ、生育に必要な肥料の量が決まっています。

栽培期間が短い場合は特に問題ありませんが、栽培期間が長い野菜の場合は、一度に

まとめて入れずに、先に元肥を施してからその後の野菜の生育によって、追肥

施すようにしましょう。(リン酸は浸透しにくいため、元肥として施す)

 

元肥は、緩効性か遅効性の肥料を組み合わせると、土壌内の養分を緩やかにできます。

追肥では、速効性の肥料が向いています。

 

それぞれの肥料の性質

元々の肥料は、農作物などを生長させる肥料成分がすぐに水に溶け出してしまい、効果の調整がしにくい、効きすぎて肥料焼けなどを起こしてしまうなど、不便さがありました。

そのために、様々な肥料が開発されたのです。

 

・緩効性肥料(継続期間1~2ヶ月、施してから肥料成分が緩やかに効いていく。植え付け時に混ぜたり、追加したりと使いやすい)

・遅効性肥料(肥料持ちがいい、施してからしばらくしてから効果が出はじめる。元肥追肥として使用)

・速効性肥料(継続期間1週間程度、施してからすぐに効果が出る。成分が吸収されやすいので生育状態に合わせ使用できる)

 

それぞれの用途によって使い分けましょう。

 

畝(うね)立て

畝立てとは、野菜の種をまいたり苗を植えたりするために、畑の土を細長く

盛り上げた畝をつくることを畝立てといいます。


       

 

畝をつくる理由

・水はけ、通気性をよくする

・作土層(畑の土壌層)が厚くなることで、根張りがよくなる

・地面より高くすることで、作業しやすくなる

・温度変化を受けやすく地温が上がりやすくなる

 

畝の向きは、野菜が日光を効率よく受けられるように、南北向きにつくるのが

基本となります。

東西向きだと、高い野菜の畝などで日陰になってしまいます。

南北にすることで高い野菜があっても、時間帯により必ず日が当たるのです。

 

畝の幅は、育てる野菜の種類、何条植えかによって変わります。

一般的に60~100cm目安ですが、マルチを張る場合はマルチシートの幅に

合わせます。

 

畝との間の通路は、狭すぎると日当たりや風通しが悪くなります。

作業をしやすくするためにも、通路の幅は60cmくらい確保しましょう。

 

 

ここまで、ひとまず土づくりに関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験とアドバイス等を、参考にさせて頂き

いろいろと学ばせてもらい書かせて頂きました。

是非、読んで頂けると幸いです。