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【九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方】

九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方】

九条ネギ


九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法(苗植えから収穫)をご紹介します。

 

干しねぎを知っていますか?

ねぎはもちろん知ってるけど。干しねぎは・・・知らないな。という方もいると思います。

 

干しねぎとは

正直なところ、私もあまり聞き慣れてはいませんでした。

干しねぎとは、九条ねぎなどの葉ねぎを干して乾燥させたものなんです。

干してあるためそのまま食べれるわけではなく、再び土に植え栽培して育てることで

食べられるねぎになります。

 

ではなぜ、わざわざ干す必要があるのでしょうか。そのメリットとして

・干すことで、発根が良くなり大株(太く大きくなる)に育ちやすい

・干しねぎの苗から栽培することで、種から栽培しない分、早く生長し育てやすい

というメリットがあるのです。

店や通販など普通に売っていて、夏に植え付けて冬には収穫ができます。

 

ねぎの栄養

ねぎは、古くから薬効成分のある野菜として知られているかと思います。

栄養成分は、アリシン・βカロテン・食物繊維・カリウム葉酸・ビタミンC・

独特の辛み成分に、血行促進・疲労回復・抗酸化作用・殺菌作用・冷え予防・免疫力を

高める効果があり、風邪の症状などに効果があるといわれています。

 

味噌汁などの汁物や鍋の具、炒め物や太い種類のものなら焼き鳥やそのまま焼いて

焼きねぎに、薬味に、と結構レパートリーもあります。

熱に弱いねぎは、栄養効果を期待するためには生食で食べるのが一番栄養がとれるので

おすすめです。

私は、薬味として小ねぎ(万能ねぎ)が好きです。(馴染みがあるから)

納豆や冷ややっこ、麺類などに、ちなみにTKG(卵かけご飯)に混ぜたあとアクセントに

入れるのもサッパリしておいしいです。

 

【栽培時期】

干しねぎの植え付け時期は、一般的には8月下旬~9月頃が目安となります。

7月に植えるところもあるようです。各地域で気温差もありますので

気候などに合わせて植え付けましょう。

 

※通常の栽培方法をご覧になる方は、次の項目は飛ばして土づくりからご覧ください。

※干しねぎを作る

干しねぎを自分で作りたい場合、まずは干しねぎの元になるねぎの栽培からです。

かといって特別な栽培をするわけではありません。

普通の栽培方法から干しねぎにするのです。

 

干しねぎを作るためには、秋まき栽培がおすすめです。

10月に種まきを始める方法と、4月に種まきを始める方法との2つの作型があります。

10月まきのメリットは、栽培期間は長いですが最終的には10月上旬くらいには収穫できることです。

4月種まきでの収穫は11月上旬くらいになります。

 

10月まきの栽培方法

・10月に種まきをし3月頃まで育苗(苗を育てる)します

・畑に植え付けて7月上旬ごろに株を掘り上げて収穫する

・収穫したら約1ヶ月間(20~30日間くらい)乾燥させる

乾燥方法

・地干し 掘り上げたその場で、1週間程度並べて干します(雨の場合は引き上げる)

・本干し 土を落として葉を束ねる、しばるなどして風通しの良い場所にかけて

2週間ほど干します(直射日光に当たらないよう陰干しで)

これで干しねぎの完成です。

 

【土づくり】

土づくり

干しねぎを育てる土にするために

・植え付けの1週間前に苦土石灰を撒いて耕します(1平方メートルあたり100g程度)

※ph(土壌酸度)の調整を行いましょう。

 

【植え溝掘り】

植え溝

土づくりができたら、スコップやクワなどを使って植え付ける溝を掘ります。(定植当日)

溝が崩れやすくなるため、耕うん(耕す)はしません。

・溝の幅20cm、深さ5~10cmに掘る

・2列目以降の溝を作る場合は、溝と溝の間は80~90cm程度を目安に作ります

※干しねぎを植え付ける際は、1つの溝に1列に植え付けます。

植え溝が浅いので、土寄せ(株元に土を盛ること)はしなくて大丈夫です。

する場合は、ほんの少しにしましょう。

 

植える前に

植え付けの前に、干しねぎはトリミング(切る作業)をします。

※トリミングは植え付けの直前に、植え付ける量だけやりましょう。

やり方は、枯れた葉を取り、根元から15cmくらいのところで切りそろえる。

左 葉取り  右 15㎝カット

 

【植え付け方】

植え付け

植える分のトリミングが終わったら、いよいよ苗の植え付けをします。

・株間(植え付けた株と株の間の距離) 10~20cmの間隔で、苗を植え溝に1列に立てて

いきます

・掘った時に盛り上がった土を溝に落とします

・溝に土を2~3cm程度入れたら、苗を安定させるために、足やクワで踏み固めます

・乾燥と倒状(風や雨での倒れ)を防止するため、藁(わら)や干し草を入れたり、周り

にも敷くなどしましょう

植え付けわら使用

 

 

【水やり】

干しねぎの水やりは、発根を促すために植え付け後は控えましょう。

土中まで乾燥してしまっている場合は、軽めに水をやります。

植え付けから4、5日後、土が乾いていれば水やりをします。

※雨が降れば大丈夫なので、基本的に水やりは不要です。

 

植え付けが終わったとき雨の防止の為に、降りそうなときにブルーシートなどで

覆って、乾燥を保つというやり方もあります。

※雨による水分過多の防止にはなりますが、自然の水分供給がない分、土中の乾燥状態をちゃんと管理して水分調整をする必要があります。

 

追肥・土寄せ】

追肥のタイミングは、1回目は植え付けから1ヶ月後に行います。

化成肥料50g(1平方メートルあたり)を施し、中耕(浅く耕す)をして軽く土寄せをします。

そのあとも1ヶ月ごとに同じように行います。

九条ねぎを干しねぎにしたい場合は、土寄せをしっかりとすることで軟白の部分を大きくできます。

九条ねぎは分けつ(根元から新しい株が生え分かれる)しやすく緑葉の部分が多く

出てきますが、分けつしている部分の下くらいまで土寄せをします。

その際、分けつしているところが土で隠れないように注意をしましょう。(生育不良に

なる場合があります。)

 

【収穫】

干しねぎは、早ければ植え付けから約2ヶ月くらいで収穫ができるようになります。

収穫方法は

・株ごと掘り起こす

鍋の具などに使用する場合は、ある程度草丈が大きくなったら株ごと掘ります。

・地上部だけを刈り取る

薬味などに使用する場合は、刈り取ることでまた同じ株から生えて何回か収穫できます。

そのために、収穫後は新芽が出てくるように追肥をちゃんとして栄養を与えましょう。

 

長く収穫をしたい場合は、年内は地上部だけを収穫し、年明けの寒さにあたる頃(1~2月頃)に株ごと収穫するといいでしょう。

※低温にあたることで、糖度が上がり甘みとおいしさが増します。

 

ねぎ坊主

ねぎ坊主

あまり収穫が遅くなってしまうと、トウ立ちが起こります。その状態になったものが

ねぎ坊主と呼ばれます。

ねぎ坊主が付き始めると生長が悪くなるので、早めに摘み取るか株ごと収穫をしましょう。

 

【保存方法】

九条ねぎや万能ねぎなどの葉ねぎの保存方法は、常温保存、冷蔵保存、冷凍保存、乾燥させて保存と色々あります。

今回は、一般的にやりやすい冷蔵保存と冷凍保存の方法をご紹介します。

・冷蔵保存1 新聞紙で包んで保存

 冷蔵庫にスペースがあれば、葉ねぎ(青ねぎ)を新聞紙で包んで野菜室に立てて保存します。立って育った野菜は、立てたままの保存が日持ちします。

 やり方は、新聞紙を広げて葉ねぎを置き全体を包むだけです。

 1週間程度保存できます。

・冷蔵保存2 刻んで保存

 水洗いして水分をよくふき取ります。小口切りにして、ふたつきの密封できる容器に

入れて冷蔵保存します。(切り口から水気が出てくるので、容器の底にキッチンペーパーを折りたんで入れておくのがポイントです。)

カットした分、日持ちはしなくなりますが、使い勝手がよくなり薬味として気軽に使えます。

3、4日程度保存できます。

・冷凍保存 刻んで保存 

冷凍保存でも同じようにカットして、ラップで包むか、冷凍可能な密閉できる保存袋で冷凍保存します。密閉袋は空気を抜き、しっかりジッパーを閉めましょう。

長く保存はできますが、その分、水気が出たり味や香りは落ちます。

ですが、約1ヶ月保存できるので、冷蔵しても使い切れない場合に重宝します。

 

【病気・害虫対策】

畑は、ちゃんと管理しないと畝の周囲など雑草が生い茂ります。

雑草は、害虫の温床にもなるのでこまめに抜いて管理しましょう。

 

雑草対策は、普通に抜いて処理をする他に、防草シートを敷いたり、専用の除草剤を使用するなどがあります。

雑草対策に適した薬剤の種類

・液剤タイプ(茎葉処理型)  

雑草がすでに生い茂ってしまった場合に速効性があり、雑草のみを処理できて

土壌に浸透もしないので使いやすいです。

・粒剤タイプ(土壌処理型) 

雑草が生え始めの処理や、予防に向いています。速効性はないですが長時間の効果あります。

・ハイブリットタイプ(茎葉処理・土壌処理型)

速効性と持続性の効果を併せ持っています。

 

害虫は、雑草が多かったり乾燥が続くと発生しやすくなります。

干しねぎに発生する害虫は、ネギハモグリバエ、ネギアザミウマ、ネギコガ、ヨトウムシ、ネキリムシ、ネダニなどの害虫がいます。

特に、ウイルス病を伝染させる可能性があるアブラムシには注意が必要です。

体長1、2mmの小さな虫で、一年を通して発生し短期間で増殖する厄介な害虫です。

害虫対策は、なるべく目の細かい防虫ネット(なるべく細かいものでアブラムシ対策になります)などで害虫の飛来や成虫の産卵を事前に防ぐことが大事です。

専用の防虫剤もありますので用途に合わせて使用しましょう。

 

病気は、酸性土壌、窒素成分の多い肥料の使い過ぎ、土壌多湿、排水不良などでなりやすくなります。

また、べと病、さび病は発生しやすく、他にも萎縮病、萎黄病、軟腐病、黒渋病、黒穂病、黒斑病など様々な病気があります。

症状に合わせて薬剤を散布するなどして対処しましょう。

 

※ホーム玉ねぎの【病気・害虫対策】にも病気・害虫の種類、特徴、対策を書いていますのでそちらも参考までに見ていただけたらと思います。

【保存版】初心者のための ホーム玉ねぎ栽培法 完全ガイド - 初心者でも収益につながる農業専門ブログ

 

薬剤には様々なタイプがあるので、その時の状況と用途に合わせて作物への影響を考慮

した上で使用することが重要です。やみくもに使うことはやめましょう。

もちろん何も使わずに雑草を処理し、害虫や病気を防止・管理していけるのが望ましい

ですが、実際のところなかなか難しいと思います。

困ったときや手に負えない場合には、検討した上で薬剤を正しく使用して、助けてもらうのも1つの方法かと思います。

 

病気や害虫による大きな被害を防ぐために重要なのは、生育環境を適切に維持するということです。

日当たり、水はけ、風通しは良好か、水やり、肥料の量は適切か、肥料や土に問題はないか、など挙げればキリがないほどありますが、適切な管理を行い大事に育てた野菜を守ってあげましょう。

 

 

ここまで、九条ねぎ(干しねぎ)の栽培方法と育て方に関して書いてみました。

農業の先輩方の様々な経験やアドバイス等を、参考にさせて頂き学ばせてもらい

書かせて頂きました。

是非、これから農業を始める方や興味をお持ちの方に読んでいただけると幸いです。

 

 

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